2017年算数入試問題雑感 麻布中

問題傾向の変化は定着か?

近年、麻布学園数学科教師の大幅な入れ替わりがありましたが、その影響は大きいと思わせる問題群でした。

数年前まで麻布算数といえば六角形、六角形といえば麻布算数というほど、六角形が多用されていましたが、今年も六角形を使った図形問題はなし。また、小問が次の小問へのヒントになっている「誘導性」は弱くなったと感じます。いわゆるいままでの「美しい」問題は影を潜めているようです。

一方、今年の問題は分野・難易度共に非常にバランスよく、今までとは別の意味で「美しい」と感じます。

・今年度の問題

1 計算 (易)

たまたまなのか、最難関校でも計算が出る傾向が強い年でした。麻布も同様です。

2 時計算 (易)

(1)は小学4年生でも解けそうな典型題、(2)はワナに気づくことが大事です。

3 平面図形の求積 (普)

麻布受験生にとっては難しくないでしょう。落とせない問題です。

4 速さ (やや難)

解法によって大きな差がついたであろう問題です。

5 濃度算と数え上げ (やや難)

砂糖水の濃度算の形を借りた数え上げの問題です。濃度そのものをいちいち計算しなくても、
比を使うことに気づけば比較的容易に解けます。

6 約束記号 (難)

約束記号の規則が複雑で、理解するのに時間がかかります。理解してしまえば(1)~(3)
は取れるでしょう。(4)は難問、時間的にも間に合わない生徒が大多数ではないかと思います。